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秋田地方裁判所 昭和56年(ワ)103号 判決 1988年3月25日

原告 山内博 ほか三名

被告 秋田県

代理人 佐藤孝明 金野光雄 田中一泰 斎藤孝志 志田幸禧 齋藤信一 ほか三名

主文

原告らの請求をいずれも棄却する。

訴訟費用は原告らの負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  被告は、原告山内に対し金二三四九万円、原告飯坂に対し金一四〇万円、原告北川に対し金二八〇万一〇〇〇円、原告菊地に対し金二八〇万一〇〇〇円及び右各金員に対する昭和五六年三月二九日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

3  1項につき仮執行宣言

二  請求の趣旨に対する答弁

1  原告らの請求をいずれも棄却する。

2  訴訟費用は原告らの負担とする。

3  仮執行の宣言を付する場合は担保を条件とする仮執行免脱の宣言

第二当事者の主張

一  請求原因

1  原告らはいずれも補助参加人秋田県北部漁業協同組合(以下単に「参加人組合」という。合併前能代市漁業協同組合)の組合員であり、同組合が有する共第四号第二、三種共同漁業権(現共第一号第二、三種共同漁業権)に基づき漁業を営む権利を有している。

2  被告の土砂投棄

被告は能代港修築事業を起こし、昭和四八年から別紙図面(一)漁業権消滅海域で浚渫工事を実施し、右海域内外に浚渫した土砂を投棄し続け、特に同五二年から同五三年五月二九日までの間に約三〇〇万立方メートルに及ぶ土砂を投棄した。

3  原告らの操業状況

原告らの操業海域は、米代川河口より北側の旧共第四号の全海域で、原告山内は底建網(雑魚小型低地漁業)を、原告飯坂は雑魚さし網漁業、ばいかご漁、たこを、原告北川は雑魚さし網漁業、ばいかご漁業を、原告菊地は雑魚さし網漁業、かざみかご漁業をそれぞれ営み、これらの漁業の操業海域の水深は概ね、底建網一〇ないし一八メートル、さし網四ないし一二メートル、ばいかご九ないし三〇メートル、かざみかご四ないし一八メートル、たこ九ないし一八メートルである。

4  原告らの被害状況及び損害額

(一) 原告らは前記の浚渫工事中は攪拌された汚濁水が常に漁場に流れ出て網に付着するなどの漁業被害を受けてきたが、特に昭和五二年八月から同五三年五月までの米代川河口沖の旧共第四号海域への浚渫土砂の投棄による漁業被害は甚大で、同海域で操業していた原告らは壊滅的な被害を受けた。

(二) たとえば、さし網、底建網の網の一面に泥が付着したため、原告らは最大の漁期を逃したり、網の手入れに手間取つたり、操業を中止しなければならなかつた。また、原告らは浚渫によつて海中に流れ出た浮遊する異物のため、漁船のエンジンの冷却水がつまりエンストを起すという被害を何回となく被つてきた。

(三) 原告らの被つた損害は別紙損害計算書のとおりである。

なお、原告等の損害の計算は、相当性、蓋然性に基づくものであり、自然科学と異なり損害賠償制度の損害の公平な分担という視点から妥当なものである。

5  被告の責任

およそ、共同漁業権に基づいて漁業を営む権利を有する海域付近で浚渫工事を施行するに際しては、工事の結果魚類の生息、回遊及び漁網等に対する悪影響を及ぼさないように適切な措置を講ずるか、あるいはそれが不可能な場合は工事を中止すべき義務があるところ、被告は右注意義務を怠り、前記2の工事を計画、施行した過失により、同4の結果を発生させ、原告らの漁業を営む権利ないし漁業上の利益を侵害したものであるから、原告らに生じた損害を賠償する義務がある。

6  よつて、原告らは被告に対して、被告の不法行為に基づいて前記損害金及びこれに対する不法行為の日の後である昭和五六年三月二九日から支払済みまで民事法定利率年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める。

二  請求原因に対する認否

1  請求原因1は認める。

2  同2のうち、被告が能代港修築事業を起こし、別紙図面(一)漁業権消滅海域で浚渫工事を実施し、右海域内外に浚渫した土砂を投棄したことは認めるが、その余は否認ないし争う。

3  同3は不知。

4  同4は否認する。

原告の主張する損害額は、過去の水揚高に推量に基づく魚価の上昇率を掛け合わせた金額であつて、到底客観的な計算とは認められないし、原告らが過去の水揚の実績として主張する金額も昭和四七年に参加人組合が漁業権を一部放棄した事実を無視している。

また、原告山内は、昭和五三年に操業を停止して以来全く漁業に従事しておらず、同飯坂も最近まで漁業は副業であつた。原告菊地は米代川で八ツ目鰻を主として漁獲しているので海の影響を受けないのである。

水揚高は諸々の条件に左右されるもので、原告らが主張する被告の土砂投棄という一個の単純な原因で水揚高が大きく変動することはありえない。

5  同5は争う。

三  被告の主張

1  能代港改修工事施行の概略と本件補償契約締結に至る経緯

(一) 被告は国の港湾事業の決定に基づき能代港において昭和四八年から港湾整備工事に着工した。

右の事業内容は、能代港を一万五〇〇〇トン級の入港可能な港湾に整備するとともに、周辺付近の臨海地区に木材工業団地を造成するための土地の大規模造成工事であり、そのため既存の北防波堤の延長工事と合わせ、その南側の港内を浚渫し、右大型船舶の入出港可能な水深を保つことと、右港内から浚渫した土砂の一部を右港に隣接する陸地に堆積して土地の造成をするというものである。

(二) ところで、右整備事業計画を実施するに先立ち、被告は能代港を包含する日本海沿岸に共同漁業権(共第四号)を有する参加人組合との間において、昭和四七年一二月一二日別紙図面(二)の緑線で囲んだ範囲の海域について参加人組合の漁業権を消滅せしめる旨の合意をなした。そして、右漁業権の放棄に対し、漁業が操業不能となる一切の補償として金八二〇〇万円を支払う旨の漁業補償に関する覚書を交換し、右覚書の約旨に従つて同月二七日被告は参加人組合に対し同額の支払いをなした。

(三) しかし、昭和五一年度までの事業により右土地造成工事が完了したため、能代港内の浚渫土砂の処分が困難となつたことから、被告は右土砂を海上投棄して処分することとし、参加人組合の同意を得て米代川河口の基点から方位二八四度三七分から三一八度二二分の間の沖合四マイルから五マイルの海域に昭和五二年八月一三日から同月一九日までの間二万六五三六立方メートルの浚渫土砂を投棄していたところ、同月一九日に、参加人組合から漁場の関係上との理由で土砂投棄場所の変更を求められたので、これに応じ、同月二〇日から同年一一月ころまでの間前記基点から同方位の沖合三マイルから四マイルの海域に約九一万立方メートルの土砂を投棄した。

ところが、同年一一月ころ、土砂投棄場所の周辺海域で底引き漁業を営む漁民の間から漁業被害を理由とする土砂投棄の中止を求められたため、被告は一時土砂投棄を中止した。

被告は昭和五三年二月から同年三月八日まで約四万七〇〇〇立方メートルの土砂を右海域に投棄したほかは、前記の漁業権消滅区域に投棄することとし、同年三月一七日から同年四月三〇日までは別紙図面(二)、<1>の海域に四五万四一三一立方メートルを、同年五月一日から同月二七日までは同図面<2>の海域に一〇万二五七一立方メートルを投棄した。

(四) ところで、被告は右漁業権消滅区域内への土砂投棄には、事前に参加人組合の理事から同意を得ていたが、その後沿岸漁民の間からその工期や投棄場所について漁民への事前説明がなされていなかつたとしてこれを問題視する声が上がり、併わせて右土砂投棄により漁業被害を受けたとの問題が提起されるに至り、浚渫土砂の処分方法は海上投棄以外は考えられず、他方漁民の意向は漁業補償に応じなければ土砂投棄に同意しない、能代港港湾工事に一切協力しないとのことであり、このままの状態を続ければ、港湾整備事業等の進展が望めなかつたことから、土砂の海中投棄による漁業被害の補償問題を早急に解決し、今後の港湾整備事業の進捗をはかることにした。

そこで、昭和五三年五月二九日、参加人組合能代支所会議室において、同組合理事及び監事、原告山内、同北川、同菊地を含む同組合能代地区組合員約四〇名と被告県の職員らが話合い、その際原告山内から、土砂投棄に伴なう漁業被害の補償交渉等については参加人組合を通じて行なう旨の提案がなされ、これが了承された。

その後、昭和五三年六月七日、原告ら四名を含む参加人組合能代地区組合員を代表した原告山内から、同組合に対し、浚渫土砂の海上投棄による漁業被害の補償交渉を各組合員に代つて同組合が被告との間で行なうこと等の要求がなされ、同月二四日同組合理事会において、同組合が組合全体の被害状況を調査し、個々の漁民に代つて被告に対し損害賠償を求めることを決議し、その旨能代地区組合員の代表者である原告山内に通知した。右決議後、参加人組合は能代地区も含めた各地区漁民集会を開催して土砂投棄による漁業被害の調査等を行なつたが、その際どの地区の漁民集会においても同組合が被告との間で土砂投棄により漁業被害を受けた個々の組合員に代つてその漁業被害の補償交渉をすることに反対はなかつた。

なお、参加人組合においては、従来からいわゆる公共事業に起因する漁業被害の補償交渉は被害を受けた個々の組合員ではなく、これに代つて同組合が一括して補償交渉を行なうという慣行があつた。

(五) 右の事情から、参加人組合は、原告らを含む全組合員から被告との間で右漁業被害の補償交渉を委託され補償契約締結権限を与えられたものと考え、組合長及び理事らを構成員とする土砂投棄対策委員会が設置され、同委員会と被告との間で土砂投棄、漁業被害の補償等の交渉が開始され、その後数度の交渉を経て、昭和五四年二月二四日、漁業被害補償金総額を三五〇〇万円とする合意が成立し、同組合理事会も同年三月一七日これを全員一致で承認し、同月二九日、被告と同組合との間で右合意を内容とする覚書が交された(以下「本件漁業補償契約」という)。なお、右三五〇〇万円の補償は、被告が昭和五三年度までに実施した能代港港湾整備事業にかかる港湾工事及び浚渫土砂投棄に起因して参加人組合の組合員が受けた漁具及び漁獲減少等漁業被害一切に対する損失補償である。

その後、被告は右覚書及びその支払方に関する契約書に基づき、昭和五四年四月一九日に二〇〇〇万円を、同五五年五月三一日に一五〇〇万円を参加人組合に支払い、右漁業補償の一切を完了した。

なお、その間、原告らから参加人組合が被告と原告ら個々の組合員の漁業被害の補償交渉を止めるようにと申し出されたことや、原告らが被告と直接補償交渉を行うということもなかつた。

(六) 参加人組合は、昭和五六年五月二三日臨時総会を開催し、被告から支払いを受けた本件補償金三五〇〇万円を含む総額八五〇〇万円の補償金につき、これを同組合の構成員たる組合員に配分するための配分委員会の設置及び配分委員の構成、配分基準についての議案を提出し、正組合員三二三名中二五四名(本人出席二〇一名、書面出席五三名)が出席のもと、全員一致で可決された。

右総会においては、土砂投棄による漁業被害の補償総額が三五〇〇万円である等各項目毎の補償金額を明示してその合計額が八五〇〇万円である旨の説明がなされたし、原告山内、同飯坂、同菊地も準組合員(発言権はある)の資格で総会に出席し、右議案の審議に参加したが、その際補償契約を組合が締結したことや、補償金額、議案の内容等について、右原告を含めて誰からも反対意見は出なかつた。なお、原告北川に対しても、右総会の開催とその目的は通知され、同人からは何らの異議の申出もなかつた。

その後、各地区ごとに配分委員が選任され、配分委員会を開催して審議し、昭和五九年一二月八日、参加人組合は臨時総会を開催し、本件補償金を含む補償金の配分案を提案し、これは正組合員三一二名中二〇一名(本人出席四〇名、書面出席一六一名)の出席のもと、全員一致で採決された。

右総会には原告らは出席しなかつたが、その開催と目的は原告らにも通知されていたが、原告らからは何らの異議の申出もなかつた。

そして、参加人組合は、右配分基準に基づき、昭和五九年一二月一七日同組合の組合員に対し補償金の支払いをし、その結果、原告山内に六六万三八〇〇円、同飯坂に三四万五三〇〇円、同北川に九四万七二〇〇円、同菊地に四四万六〇〇〇円が配分された。

2  本件漁業補償契約に基づく原告らの損害の填補

(一) 本件漁業補償契約の趣旨

本件漁業補償契約は、昭和五三年度までに被告の実施した能代港の港湾整備事業及び浚渫土砂投棄に起因して参加人組合の組合員たる個々の漁民が被つた漁業被害一切の損害、すなわち、右契約締結時点までに現実に発生した損害及び将来発生するかもしれない被害一切を対象とし、同組合の組合員個々人の漁業を営む権利の行使に伴う漁業に関連する一切の損失に対する補償を目的とする和解契約であり、それは仮に右補償金額以上の損害が現に発生し、または将来発生したとしてもこれらの損害賠償請求権を放棄することを当然その内容とするものである。原告らは本訴において、昭和四八年以降同五三年度まで被告の実施した右港湾整備事業及び浚渫土砂投棄に起因する同四八年から同五五年までの原告ら各人の漁業被害の損害賠償を求めているが、右によれば原告らの請求はいずれも本件漁業補償契約によつて既に填補済みであるというべきである。

(二) 参加人組合が締結した本件漁業補償契約が原告らに効力を及ぼす理由

(1) 共同漁業権の管理は、原則として漁業権の帰属主体たる漁協の業務執行機関たる理事が行なうべきものであるが(水協法三四条一項)、総会決議事項(同法二七条二項、四四条四項、四八条一項、六八条一項等)は、組合員によつて構成される総会の決議に基づくことを要するのであるが、本件土砂投棄は総会決議事項のいずれにも当たらないのであるから、参加人組合が総会の決議を経ずしてなした土砂投棄に対する同意及び被告との間で交された補償契約は有効に原告らに効力を及ぼすというべきである。

(2) 本件漁業補償契約の締結が、水協法五〇条四号に準ずるものとして、同条の特別決議を必要とするとしても、右締結後に開催された実質的に特別決議の要件を充足する総会決議により、事前の特別決議の欠缺の瑕疵は治癒されたというべきであり、右契約の効力は原告ら組合員全員に及ぶというべきである。

すなわち、前記のように、本件漁業補償契約締結後の参加人組合の臨時総会においてなされた補償金の配分委員会の設置等に関する決議及び補償金の配分に関する決議は、いずれも議決権を有する正組合員の過半数以上が出席し、その議決権の三分の二以上の賛成多数による決議であるところ、右決議はいずれも直接には本件漁業補償契約の締結の承認を内容とする決議ではないものの、右契約の存在を当然の前提とし、参加人組合の組合員に対する補償金の配分を目的とする総会決議であることは明らかであり、被告と参加人組合との右契約を承認ないし追認するという総会の意思表示を当然に包含しているものというべきである。

(3) また、仮に参加人組合が本件補償契約を締結するに個々の組合員の授権が必要であるとしても、原告らは同組合に対し、その漁業被害について被告との間で補償契約を締結する権限を明示または黙示に授与し、同組合はこれに基づいて右補償契約を締結したものと認められるのであるから、同契約の効力が原告らに及ぶことは明らかである。

四  参加人組合の主張

1  原告らは参加人組合に漁業補償に関する一切の交渉、妥結権限を授与していた。

すなわち、漁業協同組合がその漁業権を放棄したり、組合員の漁業行使権の侵害の危険が予測されてこの損害補償を要求することは、主に公共事業がその漁業権の海域でなされるときに生ずる問題であり、この補償交渉を漁業協同組合(理事会)が担当することは、秋田県における永年の慣行であり、参加人組合もこれに従つていた。これは、漁業補償の数値は客観的に把握することが極めて難しく、個々の組合員が請求することは適切でなく、損害の合理的な計算は不可能に近いうえ、漁業権の価値の認識は各組合員の間で大きな違いがあり、個々の組合員が交渉することは必ずしも組合員の利益につながらないので、漁業協同組合がその執行機関である理事会を通じて交渉しているのが現状であり、これが適切な慣行となつている。

原告らも、右のような事情を十分に知つていた者であり、しかも原告山内の参加人組合に対する補償交渉開始要求を端緒として、この要求に応じて同組合理事会が被告と交渉したのであり、原告らは同組合が被告と補償交渉をしているのを知つており、これに対し格別の異議の申立もなしていないし、その後昭和五四年三月二九日に補償交渉が妥結したことも知りながら、これに対しても異議を出さず、当該年度の組合総会でもこれに対する意見はなく、その補償金の分配基準を定める配分委員会の設置を決めた臨時総会でも原告らを含め一つの反対もなく議決されているのであつて、これらの事情に照らせば、原告らが参加人組合に対し一切の交渉、妥結権限を授与していたことは疑いない。

なお、参加人組合は原告らの求めに応じて被告との補償交渉をなし、その結果合理性のある金額で補償額が確定して妥結したのであるから、妥結後数年してから、組合の適切かつ相当な行為を無意味ならしめるような組合員の行為は信義則上認められない。

2  原告らの請求権の消滅時効

仮に原告らに何等かの損害が認められるとしても、原告らの請求の大部分は時効により消滅したので、これを援用する。

すなわち、原告らは昭和四八年度以降同五五年度の損害を請求しているが、原告らは遅くとも同五三年六月初めころまでにはその漁獲減少が被告の本件工事によるものであることを知つていたことは原告らの主張から明らかである。そして、原告らが本件訴訟を提起したのは昭和五六年三月五日であるから、少なくとも同五三年三月五日までに発生した損害は三年の時効によつて消滅している。

五  被告及び参加人組合の主張に対する認否

1(一)  被告の主張1中(二)は認め、その余は不知。

(二)  同2は争う。

2  参加人組合の主張1、2は争う。

六  被告の主張に対する原告らの反論

1  原告らは参加人組合の組合員であり、漁業法八条により組合管理の共第一号の共同漁業権に基づき漁業を営む権利を保証されており、この場合組合が有する管理漁業権の内容は形式的なものであり、権利の具体的内容を団体的に規制するという単なる管理権能を有するにすぎず、実質的な漁業を営む権利は組合員が各自行使する形で分有するものであつて、この漁業を営む権利は漁業権そのものではないが、漁業権に基づく権利として物権的性格を有するのであつて、組合がこの権利を奪うことはできない。したがつて、組合が共同漁業権の侵害について補償を受けたとしても、それは原告らとは関係がない。

2  水協法四八条、四九条は、組合が有する管理漁業権といえども漁業権の得喪、変更、漁業権規制の制定、変更、廃止には特別決議を要すると規定するが、仮に組合の補償の受け入れが原告らに及ぶとすれば、物権的に保護された原告らの漁業を営む権利の一部放棄と理論上は同一であるから、総会の特別決議を要すると解されるところ、組合は本件漁業補償契約の締結にあたりこれをなしておらず、かつ被告はこれを知つていたのであるから、右契約は無効である。

3(一)  被告の、原告らから参加人組合に対し本件補償契約締結に伴う授権があつたとの主張は、時期に遅れた攻撃防禦方法として民事訴訟法一三九条により却下されるべきである。

(二)  本件は、組合員に帰属する漁業を営む権利が土砂投棄によつて侵害され既に発生した不法行為上の損害についての補償であつて、組合が当事者ではなく、あくまで組合員であり、被告の掲げる事情も授権を裏付けるものとはいえない。

たとえば、原告山内が提案したのは、委員会を作り、その意向を理事会に伝え組合が動くようにという提案であつて、漁業補償についてまで授権した趣旨ではないし、本件補償はアセス等の補償と抱き合わせで、何が何だか分らないまま手続が進められたのであつて、組合員から異議がなかつたからといつて授権を推認させるものではない。また、原告らは参加人組合から主張の金員を受け取つたが、これには調査補償費も含まれているし原告らは組合固有の補償金等の配分と信じて受領したのである。

かえつて、本件補償契約についての組合員の委任状とか同意書とかまたは総会の決議等の授権を証するものはなく、被告がこれを要求した形跡もないのである。

七  参加人組合の主張に対する反論

1  前記六(被告の主張に対する反論)、3、(二)に同じ

2  被告の土砂投棄等という不法行為は継続してなされていたので、原告らの請求は消滅時効にかかつていない。

第三証拠 <略>

理由

一  請求原因1は当事者間に争いがない。

二  成立に争いのない<証拠略>を総合すれば、被告による能代港改修工事に伴う土砂の海上投棄の状況について、次のような事実が認められる。

1  被告は国の第四次港湾整備計画に基づき、能代港において昭和四八年から港湾整備工事に着工した。

右の事業内容は、能代港を一万五〇〇〇トン級の入港可能な港湾に整備するとともに、周辺付近の臨海地区に木材工業団地を造成するための土地の大規模造成工事にあり、そのため既存の北防波堤の延長工事と合わせその南側の港内を浚渫し、右大型船舶の入出港可能な水深を保つことと、右港内から浚渫した土砂の一部を右港に隣接する陸地に堆積して土地の造成をするというものであつた。

2  ところで、右整備事業計画を実施するに先立ち、被告は能代港を包含する日本海沿岸に共同漁業権(旧共第四号、現共第一号)を有する参加人組合(当時能代市漁業協同組合、昭和四八年二月五日合併して参加人組合となる。)との間において、昭和四七年一二月一二日別紙図面(二)の緑線で囲んだ範囲の海域について同組合の漁業権を消滅せしめる旨の合意をなし、同時に右漁業権の放棄に対し、漁業が操業不能となる一切の補償として金八二〇〇万円を支払う旨の漁業補償に関する覚書が被告代表者である知事と合併前の参加人組合の組合長理事の名義で締結され、右覚書の約旨に従つて同月二七日被告は同組合に対し同額の支払いをなした(なお、右漁業権消滅の合意及び漁業補償に関する覚書が被告と参加人組合との間で有効に締結されたことについては、当事者間に争いがない。)。

3  ところが、昭和四八年ころから開始された浚渫工事により生じた土砂による土地造成工事が同五一年度には完了したため、能代港内の浚渫土砂の処分が困難となつたので、被告は右土砂を海上投棄して処分することとし、参加人組合の組合長の同意を得て、米代川河口の基点から方位二八四度三七分から三一八度二二分の間の沖合四マイルから五マイルの海域に同五二年八月一三日から同月一九日までの間二万六五三六立方メートルの浚渫土砂を投棄していたところ同月一九日に、同組合長から漁場の関係上との理由で土砂投棄場所の変更を求められたので、これに応じ、同月二〇日から同年一一月ころまでの間前記基点から同方位の沖合三マイルから四マイルの海域に約九一万立方メートルの土砂を投棄した。

4  ところが、同年一一月ころ、被告は土砂投棄場所の周辺海域で底引き漁業を営む漁民の間から漁業被害を理由とする土砂投棄の中止を求められたため、同所への土砂投棄を一時中止した。

その後、被告は昭和五三年二月から同年三月八日まで約四万七〇〇〇立方メートルの土砂を右海域に投棄したほかは、前記の漁業権消滅区域に投棄することとし、同年三月一七日から同年四月三〇日までは別紙図面(二)、<1>の海域に四五万四一三一立方メートルを、同年五月一日から同月二七日までは同図面<2>の海域に一〇万二五七一立方メートルの土砂を投棄した。

三  昭和五四年三月二九日付補償覚書について

1  ところで、原告らの損害賠償請求に対して、被告は、昭和五三年度までの間に能代港港湾建設に伴う工事施行及び浚渫土砂投棄に起因して原告らを含む参加人組合の組合員たる個々の漁民が被つた、あるいは将来被るかもしれない漁業被害一切の損害を、右組合員から授権を受けた同組合との間で補償契約を締結したと主張するので、まず、右補償契約の締結に至つた経緯等の事情について検討することとする。

2  前掲各証拠に、<証拠略>によれば、

(一)  前記のように、被告による能代港沖合三ないし五マイルの海域への土砂投棄に対し周辺海域を漁場としている漁民らから投棄の中止を申入れられたのであるが、更に被告の右漁業権消滅区域内への土砂投棄についても、能代地区漁民を主体とする沿岸漁民の間からその工期や投棄場所について漁民への事前説明がなされておらず右土砂投棄により漁業被害を受けたとの問題を提起されるに至つた。被告としては浚渫土砂の処分方法について検討したが、海上投棄以外の方法は考えられないとの結論に達したのであるが、漁民らは漁業補償に応じなければ土砂投棄に同意しないし能代港港湾工事に一切協力しないという意向であつたので、このままの状態を続ければ浚渫土砂の投棄問題だけでなく、当時同時に進められていた防波堤延長工事の問題や、火力発電所の誘致の件についても漁民の協力を得ることができなくなるという配慮もあり、この際漁民側の補償の要求を受け入れて、今後の港湾整備事業の進捗を図ることにした。

(二)  そこで、昭和五三年五月二九日、参加人組合能代支所二階会議室において前記能代地区組合員らの要望を受けて、同組合理事及び監事、原告山内、同北川、同菊地を含む同組合能代地区組合員約四〇名と被告県の職員らとの間で話合いの機会がもたれ、その席上出席組合員らを代表して原告山内から、被告の一連の土砂投棄については漁民に説明がなされておらず、これにより漁民らは損害を被つているとの不満が述べられ、これを受けて被告側は海上投棄は即時中止することを確約し、更に右山内から今後は土砂投棄に関連する問題の折衝は組合員らの意向を受けた参加人組合が統一的に行なう旨の提案がなされた。更に、昭和五三年六月七日付の書面で、原告ら四名を含む参加人組合能代地区組合員を代表して原告山内から同組合に対し、浚渫土砂の海上投棄による漁業被害の補償交渉を同組合が被告に対して早急に行なうこと等の申し入れがなされ、これを受けて同組合においても被害調査をした結果、右能代地区以外でも漁民に漁業被害が生じているのを確認したので、同年六月二四日同組合理事会において、今後は組合が各組合員の漁業被害について被告に対し損害賠償を求めることを決議し、その旨能代地区漁民の代表者であつた原告山内に通知した。

(三)  その後、参加人組合は、右決議に沿つて同組合長及び理事らを構成員として土砂対策委員会を設け、同委員会によつて被告と土砂投棄、漁業被害の補償等の交渉が開始され、昭和五三年八月二九日に最初の交渉がなされ、一時交渉は難航したが、被告としては前記のような港湾事業の円滑な進行のため補償に応ずるほかないと判断し、曲折を経て最後は能代市の仲介もあり、昭和五四年二月二四日、被告と同組合との間で、漁業補償金額を三五〇〇万円とする合意が成立した。右交渉では、委員会側は、被告による沖合への土砂投棄の中止を求めるとともに、これまでの被告による土砂投棄により漁民である個々の組合員らが被つた損害の賠償(迷惑料)の支払いを要求し、右補償額については個々の漁民が被つた損害額を出すことは困難であるので、個々の組合員の個別的事情を捨象して、個々に算出することはせず全組合員のすべての漁業に対する損失を包括して総額で示す方式で交渉に臨み、被告も同様の判断から農林統計に基づく昭和四六年から同五一年までの能代港を中心とした漁業の水揚げの平均を算出して、公共用地取得のための補償方式を基に補償金額を算出して委員会側に提示したりして進められ、数度の交渉を経て前記の合意が成立したのである。そして、参加人組合理事会も、同年三月一七日これを全員一致で承認し、同月二九日、被告と同組合との間で、被告が昭和五三年度までに実施した能代港港湾整備事業にかかる港湾工事及び浚渫土砂投棄に起因して参加人組合の組合員が受けた漁具及び漁獲減少等漁業被害一切に対する損失補償として被告が同組合に対して合計三五〇〇万円を支払うということを内容とする覚書が交された(以下「本件漁業補償契約」という。)。

その後、被告は右覚書及びその支払方に関する契約書に基づき、昭和五四年四月一九日に二〇〇〇万円を、同五五年五月三一日に一五〇〇万円を参加人組合に支払つた(以下「本件補償金」という。)。

なお、その間、原告らから参加人組合が被告と原告ら個々の組合員の漁業被害の補償交渉を止めるようにとの申し出はなく、また、原告らが被告と直接補償交渉を行なうということもなかつた。

(四)  そして、参加人組合は、昭和五六年五月二三日臨時総会を開催し、被告から支払いを受けた本件補償金のほか、同様に同組合が被告と交渉して得た北防波堤延長工事に伴つて漁民らが被る損害等に対する補償金、火力発電所設置のための事前調査により漁民らが被る損害等に対する補償金をも含む総額八五〇〇万円の補償金について、これを同組合の構成員たる組合員に配分するための配分委員会の設置及び配分委員の構成等についての議案を提出したほか、右各補償金の配分に当たり要する事務費用の負担等についての議案も提出し、いずれの議案も議決権を有する正組合員の賛成により可決された。

右総会においては、土砂投棄による漁業被害の補償金を含む補償金総額が八五〇〇万円である旨の説明がなされたほか、今後の配分委員の日当額を決めるについてこれまで補償交渉に当たつてきた交渉委員の日当額等の話題が出たりした。

また、原告山内、同飯坂、同菊地も発言権のある準組合員の資格で総会に出席して右議案の審議に参加したが、その際本件漁業補償契約を参加人組合が締結したこと、更には組合理事会で選出された委員らが右契約の締結交渉の任に当たつてきたことや、妥結した補償金額等について、右原告を含めて誰からもこれらを問題視する発言はなく、総会に出席しなかつた原告北川に対しても、右総会の開催とその目的は通知されたが、同人からもその後何らの異議の申出もなかつた。

(五)  その後、右可決案に基づき各地区ごとに配分委員が選出され、配分委員会において審議して配分基準及び配分額に関する案が作成され、昭和五九年一二月八日、参加人組合は臨時総会を開催し、右委員会案に従つて本件補償金を含む補償金の配分案を提案し、これも正組合員らの賛成により可決された。

右総会には原告らは出席しなかつたが、その開催と目的、趣旨は原告らにも通知されていたが、原告らからは何らの異議の申出もなかつた。

(六)  そして、参加人組合は、可決された配分案に基づき、昭和五九年一二月一七日同組合の組合員に対し補償金の支払いをし、その結果、原告山内に六六万三八〇〇円、同飯坂に三四万五三〇〇円、同北川に九四万七二〇〇円、同菊地に四四万六〇〇〇円が配分された。

以上の事実が認められ、右認定を覆すに足る証拠はない。

3  参加人の交渉権限について

(一)(1)  まず、漁業権は行政庁の免許により設置される権利(漁業法一〇条)で、共同漁業等は漁業権に基づくのでなければ営むことはできない(同法九条)とされているが、他方同法は漁業権を組合員の漁業を営む権利とは別個に区別して規定し(同法八条)、漁業権とは別個に漁業を営む権利も保護の対象としている(同法一四三条参照)のであつて、このいわば操業利益ともいうべき漁業を営む権利は具体的な漁業者である組合員個人が享受の主体となるのであつて、その利益の放棄及びこれに対する補償については、漁業権自体の放棄及びこれに対する補償の場合と同一に考えることができず、漁業権の帰属主体である単位漁業協同組合が当然にはこれにつき処分権限を有することにはならないというべきである。

(2) そこで検討するに、前記認定事実によれば、本件漁業補償契約は、昭和四七年一二月一二日付で被告と参加人組合との間で交された同組合が有する共同漁業権の消滅に関する合意及び右漁業権の放棄により操業が不能となることに対する補償の覚書のように、参加人組合が有する共同漁業権自体の処分及びこれに対する補償を目的とするものではなく、あくまで被告が能代港付近の海上に投棄した土砂によつて同組合に所属する組合員が被つたと主張する個人的な損害すなわち操業利益についての補償を内容とするものであるから、当然には組合が被告との交渉及び補償契約締結の権限を有することにはならないというべきである。

(二)(1)  ところで、前記認定事実によれば、本件漁業補償契約の内容は、被告が昭和五三年度までに実施した能代港港湾整備事業に係る浚渫工事及び浚渫土砂投棄に起因して、参加人組合に所属する個々の組合員に右契約締結時点まで現実に発生した、あるいは将来発生するかもしれない漁具及び漁獲減少等の漁業被害一切に対する補償を目的とするものであるから、参加人組合が原告らの授権を得て被告と右補償契約を締結したとすれば、原告らはもはや本訴において主張する損害を被告に請求することはできないというべきである。

そこで、以下右授権の存否について検討する。

(2) まず、前記認定事実に経験則を加えて検討するに、本来漁業そのものは気象状況や海流などの諸般の事情により大きく影響を受け易いものであり、それゆえ本件のような被告による公共事業の施行により被る個々の漁民の被害損害は、その因果関係の点でも、額の点でも調査、把握が極めて困難であるという性質を持ち、しかも公共事業が広範囲にわたつて施行され、そのため被害を被つたと主張する漁民の数が多数であるという本件のような場合には、個々の漁民が自己の被害損害を主張、立証して被告と交渉を持つというのは、漁民にとつても、また交渉の相手方である被告にとつても非現実的、かつ非合理的な方法である。

むしろ、このような場合には、右の交渉を漁民が所属する単位漁業協同組合(参加人組合)に漁民が交渉、妥結権限を委ね、同組合が個々の組合員の被害損害額を個別的に算出せず、全組合員の現在及び将来の漁業損失を包括した総額で要求交渉することの方が現実の紛争処理としては合理的な方法であり、かえつて集団交渉による有利な成果が期待できるというべきである。

そして、このような事情は原告らも当然認識していたということができる。

(3) 前記認定事実によれば、参加人組合が被告と原告ら漁民の被害損害の補償交渉をするに至つたのは、まず被告による漁業権消滅区域内への土砂投棄に対して能代地区漁民らの間から漁業被害を受けたという問題提起がなされ、これを受けて、昭和五三年五月二九日、参加人組合幹部に原告山内、同北川、同菊地らを含む能代地区組合員らと被告との間で話合いの機会が持たれ、この席上、右組合員らを代表して右山内から、今後は土砂投棄に関連する問題の折衝は組合員らの意向を受けた参加人組合が統一的に行なう旨の提案がなされ、更に原告ら四名を含む参加人組合能代地区組合員を代表して原告山内から同組合に対し同五三年六月七日付の書面で、浚渫土砂の海上投棄による漁業被害の補償交渉を同組合が被告に対して早急に行なう旨の申し入れがなされ、これを受けて、同組合は理事会において同組合が組合員らに代り被告に対し漁業被害の賠償を求める旨を決め、直ちに被告とその交渉についたのであつて、参加人組合が被告との漁業補償の交渉をするに至つたのは、原告らが同組合に強く働きかけた結果であつて、むしろ同組合が被告と交渉をしたのは原告ら組合員らの意向に沿つたものであるということができる。

(4) しかも、前記認定事実によれば、参加人組合が原告ら組合員に代つて被告との補償交渉を担当することは前記申入れをした能代地区組合員の代表者である原告山内に通知され、その後参加人組合が被告となした交渉及び締結された本件漁業補償契約についても原告らはもとより、その他の組合員からも一切異論が出ず、昭和五六年五月二三日に開催された臨時総会においても、被告と参加人組合が交渉した結果得た本件漁業補償金の分配のための委員会の構成等についての議題が出され、原告山内、同飯坂、同菊地らは右総会に出席していたのであるから、参加人組合が被告との間で組合員たる漁民の被害補償について交渉し、本件漁業補償契約を締結したことについて異議を述べる機会がありながら異議を述べなかつたのであるし、その他の組合員からも一切右点について問題視する発言はなかつたのである。

(5) 更に、土砂投棄による補償交渉と同時に参加人組合が担当交渉していた被告による北防波堤の延長工事に伴う漁民の被る損害等に対する損失補償金及び火力発電所建設のための事前調査により漁民らが被る損害等に対する損失補償金については、その交渉及び損失等補償契約の締結については原告らを含めて組合員らには何らの異議もなかつたのである。

(6) 以上の諸事実を総合すれば、参加人組合が被告との間で締結した被告の一連の土砂投棄により個々の漁民が被つた、あるいは将来被るかもしれないすべての損害についての補償を内容とする本件漁業補償契約につき、原告らを含む組合員らから参加人組合に対し、交渉及び契約締結を含む包括的な権限が授与されていたと認めるのが相当である。

これに反する原告山内の供述はにわかに措信できない。

(7) したがつて、本件漁業補償契約により原告らが主張する損害は填補済みであるとの被告らの主張は理由がある。

なお、原告らは、右被告らの主張は民訴法一三九条により却下されるべきだと主張するが、理由がない。

四  以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、原告らの請求には理由がないので棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九三条一項を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 福富昌昭 宇田川基 稻葉一人)

別紙図面(一)、(二) 損害額計算書 <略>

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